今日(8/24)の新聞報道などで、大北森林組合の補助金不正受給の問題について法的課題検討委員会が、補助金の執行事務に関係していた11人の県職員に損害賠償請求が可能であるという報告書をまとめ、県に提出したと報じられました。15309万円というとてつもない金額を請求可能とのことです。

 「合法的に」という前提ではありますが、公務を効率的にかつ公正に執行するために「組織」があります。ここには「組織」全体を統治するための規定・規則などが存在しています。今回の11人の職員がこのルールを悪意を持って意図的に捻じ曲げて公務を遂行したとすれば、そこにはまた別の責任が派生するでしょうが、民事としての損害賠償も検討されるのかもしれません。しかし、ここにはそのような事実は無いようで、報告書においても「未確認」と「過失」を原因としての請求だとのことです。

 また、この事務については少なくとも現行のルールに基づいた事務手続きの上に執行されたものと思います。つまり、事務執行の「伺い」を立てて決裁を受けての業務遂行だったはずです。やや感情的に担当者の責任ばかりを強調するような意見もありますが、冷静に考えて、現場の担当者だけに責任転嫁をし、組織の責任者はそこまで目が届かないと免責していることに大きな違和感があります。

 こういう事態はすでに民間労使における争いで労働相談としても出てきています。業務中に使用していた車を過失により破損し、その修理費全額を請求されているとか、事の大小はありますが、業務を遂行するにあたっての本来あるべき責任の処し方というものは基本的に個人の責任での解決はないと思います。それでは賞罰という考え方で言っても罰のほうが異常に重たいものになってしまいます。

 私も30年ほど地方自治体の職場で働いた経験から、このように事案に近いことも経験してきましたが、私の経験した事案は、組織のトップが住民や議会に謝罪をし、組織全体としての姿勢を示しつつ具体的な責任の取り方を説明し、全体としての理解を得て解決していたように思います。

 公務員とはいえ担当職員の段階では自分の判断で公権力を行使することはできません。責任者の命により、事務を遂行します。その責任者が命じた個別の判断の責任を取らないとしたら、組織内部の信頼関係、統治機能は崩壊します。

 これから現場の仲間の思いをしっかりと受け止めて、一人ひとりの労働者としての尊厳が守れるように取り組んでいきたいと思っています。