11月17日は県本部として2017確定闘争の山場です。政府は給与法案を閣議決定し、人事院勧告の実施を決めました。マスコミ報道では4年連続のプラス、と報じています。

勧告は民間の春闘期の結果を調査し、公務員との格差を埋めるために行われるもので、なんでこんな面倒なことを、という意見もあるかもしれませんが、念のため申し上げると「公務員労働者」には日本国憲法が認めた労働基本権が認められていません。その代償制度としての人事院勧告制度です。過去にさかのぼれば、春闘で30%の賃上げを勝ち取った時代もありました。その際も民間に準じて公務員賃金は改善されています。

しかし、この結果は民間労働者が経営者とストライキで闘って勝ち取った成果です。公務員労働者にはこのストライキ権がありません。国家公務員には「労働基準法」すら適用されないのです。

今年の確定闘争では賃金改定のほかに「退職手当」の削減も抱き合わせで交渉事項となります。今年の4月、人事院が民間調査し、「公務員の退職給付が民間より78.1万円高いから削減せよ」という意見を申し出でいたためです。マスコミ報道はこういう点をカットして「公務員賃金4年連続引上げ」という報道がされます。事の本質はなかなか伝わっていかないものです。

1980年代以降「グローバル経済」という言葉が頻繁に使われ、経済界がアメリカにならって「企業は株主の物」に方針転換がされました。利益は社員にではなく株主に配り、経営者が報酬を受け取るだけであとは「内部留保」となりました。バブル期を挟んで日本は1998年をピークに労働者の賃金は減り続けています。その間に「終身雇用」と「年功序列賃金」が消えていきました。日本の経済発展を支えた「三種の神器」のもう一つが「企業内労働組合」ですが、これは「労使一体」という形に強化されているように思います。その変化に伴って「自己責任」とか「自助努力」ということが前面に出てきました。「金融ビッグバン」で銀行や証券会社なども倒産していきました。結果どうなったかといえば、確かに企業は世界に出て行って、様々な国で堂々と収奪を繰り返し、大きく育ったように見えます。その間に競争から脱落した企業は消え去りました。そして圧倒的多数の勤労国民は「非正規」や「年越し派遣村」に象徴されるような「格差・貧困」に埋もれてしまいました。雇用は非正規労働が全労働者の40%(2000万人)を越えて増え続け、年収200万円以下が1200万人と言われています。安倍政権の「働き方改革」は「働かせ方改革」と揶揄されています。

企業が世界一活動しやすい国が抱える「社会のひずみ」を早く解決しないと本当に「1割の正規社員と9割の非正規雇用」という社会に繋がってしまいます。政権が狙っている目標がそこにあることはすでに10年前に「経済財政諮問会議」で語られていたからです。10年経過して、本当になりつつあるその社会が、地方自治体や公共サービスで働く私たちがめざす社会なのか。「違う」のであれば、行動が必要です。自らの働かされ方に疑問を持ち、格差を当たり前とする社会に「ノー」を叫び、公正な社会実現のために労働組合が力を発揮すべきところです。

私たち自治労がその役割を果たすことが求められています。それこそが「健康で文化的な最低限の生活をする権利」を持っている住民の一番近くにいる私たちの要求根拠です。